モスクワ地下鉄がデジタルルーブル導入、CBDCの本格運用へ前進

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モスクワの大型インフラプロジェクトで、ロシアの中央銀行デジタル通貨(CBDC)である「デジタルルーブル」が初めて本格的に活用されたことが明らかになった。この取組みは、モスクワ市が進める地下鉄拡張事業における政府契約の決済に使用され、ロシア国内での重要なマイルストーンとなっている。

グローバルなCBDC競争とモスクワの戦略的な位置付け

デジタル通貨をめぐる国際的な競争が加速する中、モスクワはこうした新技術の実装地として注目を集めている。中央銀行が発行するCBDCは、ブロックチェーン技術を応用した正式な法定通貨であり、従来の銀行間決済システムを補完する役割を担っている。

現在のところ、CBDCを完全に導入している国はまだ少数派だが、中国を含む多くの国家が大規模な試験運用プログラムを展開している。これは世界的な金融デジタル化の流れの中で、モスクワがロシアのCBDC戦略における実装拠点として機能していることを示唆している。

政府契約から給与支払いまで:モスクワでのデジタルルーブル活用

今回の案件では、大手銀行VTBバンクの監督下で、モスクワ市工学部門のMosinzhproektが複数の建設業者に対して金額を支払う際にデジタルルーブルを使用した。従来の送金とは異なり、複数の業者が同時にデジタルルーブルウォレットから即座に資金を受け取ることが実現したという。

モスクワ市の上級職員は、この技術的成果を評価し、今後さらに多くのインフラプロジェクトの決済にデジタルルーブルを活用する方針を明らかにした。Mosinzhproektは、機器レンタル費用の支払いにおいてCBDCの使用を段階的に拡大する予定であり、最終的には職員給与や経費処理にまで適用範囲を広げることを検討している。

Mosinzhproektの最高経営責任者であるマキシム・ガマン氏は、「デジタルルーブルの導入によって、より高い利便性、決済速度、透明性が実現される」とコメントしている。

透明性と効率化を実現:モスクワ市政府の期待

モスクワ市政府は、デジタルルーブルの活用がやがて市の予算配分をより効率的にする道を開くと期待を示している。特に、スマートコントラクト機能を活用することで、不正や汚職の防止が可能になると当局は指摘している。政府契約や社会保障給付といった公的支出の領域では、こうした透明性の向上が大きな意味を持つ。

モスクワの副市長を務めるマリア・バグレーエワ氏は、公式な発表の中で「モスクワ市の財務・経済活動へのデジタルルーブルの導入は継続されます。支払い件数の増加を見込んでいます」と述べており、市政府としての本気度の高さを示唆している。

2028年に向けた拡張計画と試験的役割

モスクワ地下鉄の拡張計画は、2028年までに13の新駅を新設し、総延長27キロメートルの路線を追加するというものだ。この大型事業を通じて、デジタルルーブルは実質的なテスト環境として機能することになる。

ロシア中央銀行は2021年にデジタルルーブルプロジェクトの全容を公表し、2023年8月には11都市での実世界型の試験運用を開始している。その後、モスクワの地下鉄システムは公式な試験地という位置付けで、2023年に試験プログラムを立ち上げた。当初は少数のモスクワ市民に対し、デジタルルーブルの保有残高を使用してTroikaスマート交通カードをチャージするサービスを提供していた。

本格運用へ向けた動き

2025年9月に全国的な本格展開が実施されたことで、モスクワはこの新しい金融技術の実装における先導的な役割を一層強化している。地下鉄といった市民生活に密接したインフラを舞台に、デジタルルーブルが実際の課題をどのように解決するかという検証が進んでいるのだ。

こうした動きは、ロシアが国際的なCBDC競争に積極的に参入する姿勢を象徴している。モスクワにおける一連の取組みは、単なる技術実験にとどまらず、今後のデジタル通貨時代における行政・民間双方の運用モデル構築に向けた実践的な試みとして機能しているといえるだろう。

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